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鳥居

はじめに

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 はじめに
 
 
 
 もし漫画Aを読んでいた時に、以前読んだ漫画Bと似通った設定だったらどう思うだろうか?似通った構図の絵があったら?似通ったセリフがあったら?

1、偶然似た。カブってる。
2、お約束。定番。
3、パロディ。オマージュ。
4、盗作。パクリ。
これに限らずいろいろな可能性が考えられるだろう。


 私はある時、秋乃茉莉著『霊感商法株式会社』シリーズ中の「七週間」という漫画を読んでいて、松本洋子著『闇は集う』シリーズ中の「闇にその名を呼べば……」という漫画と似通った設定だと感じた。そこで、2作を並べて見比べてみた所、設定だけでなく似通った構図の絵もあることに気付いた。その類似は、私には到底偶然とは思えない程度のもので、両漫画家共に好きだった私は、<自分の好きな漫画家が他の漫画家からの盗作をしているのではないか>という疑いを抱いてショックを受けた。

 はじめ、私はその責任は秋乃茉莉の方にあると考えた。私は松本洋子の作品を子供の頃から読んでおり、秋乃茉莉の作品を読みはじめたのはそれよりだいぶ遅かったので、当然発表も松本洋子が先、秋乃茉莉が後だとばかり思いこんでいたのだ。

 だが、単行本の奥付や掲載雑誌の情報などを確認してみると、どうやら秋乃茉莉の方が明らかに先んじており、松本洋子の方が後に発表された物であるらしいと判った。

 ショックはどちらかといえば、正しい先後を知ってからの方が大きかった。子供の頃から好きだった漫画家が盗作をしたなどと思いたくはなく、かといって見てしまった物を忘れることの出来る質でもなく、私は、松本洋子が盗作をしていないとしたらどのような可能性があるかについて思いつく限りのことを検討してみることからスタートした。


 以下のページでは、松本洋子が他者の作品を参考にしていると証明しようとしているように見えるかも知れないが、もともとの動機は、松本洋子が他者の作品を参考にしていないと自分に納得させる為であった。箇条書きにしてみれば、以下のようなことを考えたのだ。

 

一、偶然物語が似通い、その結果、偶然表現も似通った。

二、偶然同一のモデル(ポーズ集、カット集、漫画の書き方本など)を使用していたため似通った。
 
三、秋乃茉莉と松本洋子とは同一人、もしくはそれに準ずる共同執筆者のような関係である。
 
四、原作者名は表記していないが、双方同一の作品を元にしている。
 
五、秋乃茉莉が松本洋子サイドに許可を得た上で参考にした。
 
六、秋乃茉莉が松本洋子作品を許可を得ずに参考にした。(意図的に盗作した場合から、以前に読んでいて、その印象が残っていたというような故意でない場合までを含む)
 
七、松本洋子が秋乃茉莉サイドに許可を得た上で参考にした。
 
八、松本洋子が秋乃茉莉作品を許可を得ずに参考にした。(意図的に盗作した場合から、以前に読んでいて、その印象が残っていたというような故意でない場合までを含む)
 



 これらのことを考えながら、松本洋子作品をあらためてつぶさに読んでみると、絵の類似は「闇にその名を呼べば……」という話に限らず、多くの作品中に見られた。しかし、とりあえずはこの疑問のきっかけとなった「闇にその名を呼べば……」と「七週間」との比較から入りたいと思う。
 
 
 
 
 
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